番付表を駆け上がる若手力士たちの裏には、知られざるスカウティングと緻密な戦略が存在する。本場所を想定した稽古では、互いの得意手を封じ込める実戦形式の申し合いが極限の緊張感の中で繰り返される。得意パターンを封じられた際にどう打ち勝つか、その試行錯誤こそが土俵上での瞬発力となる。
新十両や新幕内への昇進を果たした新星たちが口を揃えるのは、部屋内における稽古相手の層の厚さだ。幕内力士から下位力士までが同じ土俵で汗を流す環境が、番付以上の実力を早期に養う。今場所もまた、静かに爪を研ぎ澄ませた新鋭たちが上位の脅威となろうとしている。