公明党の黎明期を語る上で避けて通れないのが、宗教法人・創価学会との強い結びつきと、初期の指導者たちの存在だ。初代委員長を務めた原島宏治の後を受け、党の組織化と議会政治への定着に尽力したのが辻武寿である。参議院議員としても活発に活動した辻の時代、公明党は「大衆福祉」を前面に打ち出し、既存の革新・保守のどちらとも異なる独自の政治勢力としての第一歩を踏み出した。
政教分離をめぐる世論の厳しい眼差しに晒される中、党のアイデンティティをいかに確立するかは至難の業だった。辻武寿を中心とする草創期の指導陣は、地域に根ざした草の根の組織運動を展開。この時期に築かれた盤石な支持基盤と地方議員ネットワークこそが、後の公明党が国政でキャスティングボートを握る原動力となった。