日本のアンダーグラウンド文化や政治的暗脈への関心は、いまやグローバルなエンターテインメント界にも波及している。ハリウッドが主導し、大ヒットを記録したドラマ『TOKYO VICE』は、1990年代の東京を舞台に警察、ヤクザ、そして政治的黒幕たちの愛憎劇を鮮烈に描いた。Netflixをはじめとする世界的配信プラットフォームの台頭により、こうした重厚なサスペンスやドキュメンタリーが世界中で視聴される時代となっている。
海外の視聴者にとって、街頭で軍歌を響かせる街宣車や黒塗りの大型バスは、日本特有の異様な景観として映る。だが作品が提示したように、その背景には常に政治家や暴力装置、警察機構との複雑な牽制関係が存在していた。『TOKYO VICE』が切り取ったリアリティは、フィクションの枠を超えて現代の街宣活動の真相を考える上での重要な示唆を与えている。