なぜ有馬記念ではこれほどまでに枠順が騒がれるのか。その理由は、中山競馬場芝2500mというコースレイアウトの特殊性にあります。
スタンド前の外回りコースからスタートし、内回りコースを1周半するこのコースは、スタートから最初のコーナー(第3コーナー)までの距離が約192mしかありません。コーナーを合計6回通過するため、外枠の馬はスタート直後に内へ潜り込めないと、終始外を回らされて大きな距離ロスを被ることになります。
実際に有馬記念の枠順有利不利を検証すると、1枠から3枠の内枠勢が好走馬の過半数を占めるのに対し、8枠(大外枠)は過去10年で【0-0-1-19】と壊滅的な不振に陥っています。G1馬であっても8枠を引いた時点で勝利へのハードルは跳ね上がります。
また、有馬記念の脚質傾向においては、純粋な追い込み一気はほぼ通用しません。直線の長さがわずか310mと短く、ゴール前には高低差2.2mの急坂が待ち構えているためです。勝利への王道は「好位4〜5番手を追走できる先行力」か、「向正面から第3〜4コーナーにかけて自らポジションを押し上げられるまくり脚」を持つ馬に限られます。