ウィリアムにとって、シャーロック・ホームズは自身の犯罪計画を完成させるための「探偵役」であり、悪を裁いて国に光をもたらす救世主として選んだ存在でした。計画当初は単なるチェスの駒に過ぎなかったはずの探偵は、事件を重ねるごとにウィリアムの孤独や痛みを誰よりも深く理解する唯一無二の理解者へと変わっていきます。
「僕を捕まえてごらん、シャーロック(Catch me if you can, Mr. Holmes)」という言葉に象徴されるように、二人の関係は単なる善と悪の対立構造ではありません。知力と信念をぶつけ合うライバルでありながら、互いの孤独を埋め合わせる半身のような絆で結ばれていました。
シャーロックが「最後の事件」で自らの命を顧みずウィリアムを救い出した動機は、まさに「お前を一人で死なせはしない」という執念でした。光と影として対峙した二人は、破滅の先で真の対等なパートナーシップを築き上げることになります。