モバイル事業の泥沼のような赤字を耐え抜くことができた陰には、グループの稼ぎ頭である金融事業の圧倒的な強さがあった。楽天カード、楽天銀行、楽天証券が叩き出す潤沢な利益とキャッシュフローは、モバイルへの巨額投資を文字通り「血の補給」として支え続けた。
金融子会社の再編や一部株式の上場を通じて資金を捻出しつつ、メインのグループシナジーを損なわない絶妙な資本政策。財務の綱渡りを演じ切りながらも破綻を回避した手腕は、単なるビジョナリーではなく、泥臭い錬金術とリアルな数字を冷徹に計算できる経営者としてのリアリズムを如実に物語っている。