敷地に足を踏み入れると、まるで童話の世界に迷い込んだかのような異国情緒と温もりに包まれる。黒と白の漆喰塗りの壁、屋根の頂点にちょこんと佇む一本の杉の木。建築家・藤森照信氏が設計を手掛けたこの建物は、現代建築デザインの傑作として国際的にも高い評価を得ている。
焼き杉と漆喰の手触り、手作り感に溢れた波打つ屋根ライン。無機質な近代建築へのアンチテーゼとも言えるその佇まいは、見ているだけで心が和む。さらに館内の看板やオリジナルグッズに描かれている愛らしい猫のイラストは、イラストレーターの南伸坊氏によるものだ。自然素材のぬくもりと洗練されたアート感覚が見事に調和し、温泉に入らずとも空間そのものを楽しむ旅人が絶えない。