作品の中盤、クンちゃんが時空を超えて出会う車椅子の青年——主人公の曽祖父である「ひいじいじ」を演じたのが福山雅治だ。物語の空気感を一変させる重厚な演技は、公開当時から絶賛を浴びた。
戦後の時代を生き抜き、バイクや馬を愛した若き日の曽祖父。福山が低音で紡ぎ出す言葉には、男の哀愁と生き様、そして孫の世代へと受け継がれる強靭な生命力が宿っていた。「遠くを見つめろ」という力強い教えは、クンちゃんだけでなく観客の心をも揺さぶる。ほんのわずかな登場シーンでありながら、映画全体のテーマを決定づける強烈なインパクトを残した。