映画『ソドムの市』上映禁止の真相と配信状況|狂気とパゾリーニ暗殺の謎

映画『ソドムの市』上映禁止の真相と配信状況|狂気とパゾリーニ暗殺の謎

映画『ソドムの市』上映禁止の真相と配信状況|狂気とパゾリーニ暗殺の謎の要点や背景を専門的かつ分かりやすくまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。

本作を語る上で避けて通れないのが、監督ピエル・パオロ・パゾリーニの非業の死です。1975年11月2日未明、映画の最終編集作業を終えた直後、ローマ近郊オスティアの海岸でパゾリーニの遺体が発見されました。その遺体は激しい暴行を受け、顔面は原型を留めないほど破壊され、彼自身の愛車アルファロメオによって幾度も轢断されるという残虐極まりないものでした。

直後に逮捕された17歳の少年ピーノ・ペロジが「同性愛的な誘いを断ったことによる喧嘩の末の単独犯行」と自供し、事件は個人的な痴情のもつれとして処理されました。しかし、遺体の損壊状況から複数人の関与が極めて濃厚であることや、当時のイタリアが極右と極左のテロが頻発する「鉛の時代」の真っ只中にあったことから、警察の捜査結果には当初から疑問の声が噴出していました。

事件から30年が経過した2005年、服役を終えていたペロジ受刑者が突如として過去の供述を撤回。「自分は脅迫されて身代わりになっただけで、見知らぬ数人の男たちがシチリア訛りで『共産党の豚め!』と罵りながらパゾリーニをリンチした」とテレビ番組の告白手記で証言したのです。映画『ソドムの市』でネオ・ファシズムや権力機構の暗部をあまりに露骨に暴いたことへの報復、あるいは当時盗難に遭っていた本作のネガフィルムを取り戻す取引の罠に嵌められたなど、国家権力や極右組織による政治的暗殺説はいまなお根強く検証され続けています。

中島 亮太
Author

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。