映画『幕が上がる』主題歌の真相|ももクロ「青春賦」と劇中曲を徹底解剖

映画『幕が上がる』主題歌の真相|ももクロ「青春賦」と劇中曲を徹底解剖

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映画『幕が上がる』の音楽的魅力は主題歌にとどまらない。劇中の重要な転換点やクライマックスにおいて、ももいろクローバーZの既存曲や新録曲が極めて効果的に配置されている。映画・舞台・サントラにおける主要楽曲の構造と役割を以下の比較表に整理した。

楽曲名・分類作家陣・担当劇中での使用場面・役割編集部の見解・批評青春賦
(映画主題歌)作詞:前田たかひろ
作曲:MIKOTO
編曲:横山克物語のエンディング・エンドロール。演劇部の戦いを終えた少女たちの未来を照らす。合唱と管弦楽の融合が白眉。アイドルポップの境界線を完全に超越した2010年代最高のバラード。走れ! -Z ver.-
(劇中歌・挿入歌)作詞:NOBE、あいにゃん
作曲:Koji oba、michitomo演劇部が発声練習や基礎訓練に打ち込む合宿シーン、地区大会への疾走。ももクロ初期の代表曲を再録。歌詞の「笑顔が止まらない」が演劇の身体的衝動と完璧にリンクする。Link Link
(挿入歌・タイアップ)作詞:只野菜摘
作曲:Shingo Asari劇中での練習風景や日常の情景描写(ロート製薬CMソングとしても起用)。王道アイドルポップの清涼感を担保。映画の持つドキュメンタリー的質感に適度な華やかさを付与。行く春来る春
(シングル収録・関連曲)作詞:北川悠仁(ゆず)
作曲:ツキダタダシシングル「青春賦」カップリング曲。別れと出会いの季節を描く外伝的楽曲。ゆず・北川悠仁の情緒あるフォーク感覚が光る。映画本編の叙情詩的余韻を補完する名カップリング。オリジナル・サウンドトラック
(劇伴全般)音楽:松谷卓
本広克行(選曲監修)劇中の日常描写、平田オリザ戯曲『銀河鉄道の夜』の上演シーン全編。松谷卓による繊細なピアノスコアが、平田オリザの現代口語演劇理論の「静寂」を見事に支えている。

特に『幕が上がる』のサウンドトラックにおいて特筆すべきは、音楽監督・松谷卓(『大改造!!劇的ビフォーアフター』『いま、会いにゆきます』などの劇伴で著名)の手腕である。本広克行監督は、映画の根底に流れる平田オリザの「現代口語演劇理論」――あえて声を張らず、日常の曖昧な会話や沈黙の中に心理を宿らせる手法――を損なわないよう、劇伴の音数を極限まで削ぎ落とすディレクションを行った。

その静謐な劇伴の世界があるからこそ、クライマックスに向けた「走れ! -Z ver.-」の爆発力や、エンディングの「青春賦」の壮大なオーケストレーションが、鑑賞者の心へ劇的なダイナミズムとなって押し寄せるのである。

中島 亮太
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中島 亮太

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