本作の根底にあるのは、日本を代表するSF作家・小松左京が1964年に発表した原作小説のずば抜けた科学考証力です。ウイルスという目に見えない脅威の伝播経路、国家中枢の機能不全、そして人間の愚行が引き起こす破滅の連鎖を冷徹に描き切った物語構造に対し、海外のSFギークたちからは「50年以上前にここまでのシナリオを構築していた小松左京の知性に畏怖を覚える」と賞賛が送られています。
この緻密な原作を映画というエンターテインメントに昇華させたのが、『仁義なき戦い』や後に『バトル・ロワイアル』で世界中に熱狂的信者を生むことになる深作欣二監督のエネルギッシュな演出です。深作映画特有の人間臭さや感情の爆発が、冷徹なSF設定と融合することで、唯一無二の緊迫感が生み出されました。
海外のアート系映画ファンからは、「深作欣二といえばバイオレンスアクションの巨匠というイメージだったが、これほど重厚で抒情的なアポカリプス叙事詩を撮っていたとは驚きだ」「絶望の中を歩き続けるラストシーンの情感は、他の終末映画にはない深作監督ならではの人間愛が溢れている」といった論評が目立ちます。