カメラの前で見せる熱情は、決して演技だけの産物ではなかった。小林旭と浅丘ルリ子は、私生活でも深く愛し合っていた恋人同士だった。二人の交際は公然の事実であり、ファンも映画関係者も誰もが「世紀の結婚」を疑わなかった。
同棲生活を送り、結婚へと秒読み段階に入っていた二人。しかし、その結末はあまりにも突然の破局だった。なぜ二人は別れを選ばなければならなかったのか。
真相の背景には、昭和の大スターゆえの過酷な宿命と家族の反対があった。浅丘ルリ子の父親が結婚に強く反対したこと、そして映画会社にとってもドル箱スター同士の結婚がもたらすビジネス上の影響を懸念する声があった。お互いに若く、互いの才能と自我が激しくぶつかり合っていたことも否定できない。愛していながらも、周囲の思惑やスターとしての重圧に抗いきれず、二人は苦渋の決断として別々の道を歩むことになった。