十二鬼月の中でも極めて異例なのが、猗窩座が「女性を一切喰らわない・殺さない」という絶対的な不文律を貫いていた点です。鬼にとって人間を喰らうことは力の源であり、女性は栄養価が高いとされているにもかかわらず、猗窩座はその掟を破り続けました。
この特異な行動は、同期の上弦である童磨(どうま)からも度々からかわれていましたが、無惨から「女を喰わなくても結果を出し続けている」として異例の容認(お目こぼし)を受けていました。
記憶を失い、冷酷な鬼として何百年もの時を生きていた猗窩座ですが、その魂の根底には「恋雪を守れなかった悔恨」と「女性を敬い守る」という狛治の誓いが本能レベルで焼き付いていました。どれほど凶悪な鬼へと変貌しようとも、最愛の人を傷つける行為だけは肉体が拒絶していた証左といえます。