こうした繊細な表現主義の潮流において、金字塔として輝き続けるのが役所広司の存在だ。ヴィム・ヴェンダース監督とのタッグで世界を魅了した映画『PERFECT DAYS』は、セリフを最小限に抑え、日常の些細な動作の中に人生の深遠さを醸し出す演技で世界中に確固たる爪痕を残した。
彼が見せた圧倒的なリアリティは、単なるフィクションの域を超え、世界のクリエイターに対して「言葉に頼らないストーリーテリング」の真髄を再提示した。その影響波は大きく、現在のインディペンデント作品から大作映画に至るまで、彼の足跡を手本とする動きが広がっている。