「一見さん」の読み方は「いちげんさん」です。商売において、過去に来店履歴がなく、誰からの紹介も受けていない「初めて訪れた客」や「通りすがりの客」を指します。丁寧な接尾辞「さん」を付けずに「一見客(いちげんきゃく)」と呼ばれることもあります。
語源は、仏教用語や漢語の「一見(いっけん=ひと目見ること)」に由来します。江戸時代の商人や花街(かがい)のあいだで、一度見かけただけの客を「一見(いちげん)」と呼ぶようになり、そこから「馴染みのない飛び込み客」を指す隠語として定着しました。類語や言い換え表現としては「初見客」「新規客」「ビジター」「飛び込み客」などが挙げられます。
対極に位置するのが、何度も店に通い店主やスタッフと信頼関係を築いた「常連客(馴染み客)」です。一般の飲食店では新規客を歓迎して常連化を図るのが通例ですが、伝統を重んじる一部の業態では、両者の立ち位置を明確に区別して営業を続けています。