350年を超える歴史を誇る萬福寺はいま、伝統の継承と最先端技術の融合という新たな試みに挑んでいる。その核となるのが、文化庁の支援を受けて進められている「黄檗文化財デジタルアーカイブプロジェクト」だ。重要文化財に指定されている膨大な建造物群や、隠元禅師が持ち込んだ貴重な一切経の版木(鉄眼版一切経)などを、高精細な3Dスキャンデータやデジタル映像として保存・記録する大がかりな取組である。
この先端的な取り組みは、大手メディアや映像配信プラットフォームを通じても広く発信されている。NHKのドキュメンタリー番組で歴史的建造物の構造解析や保存修復の舞台裏が特集されたほか、公式YouTubeチャンネルなどでは超高精細映像によるバーチャル参拝コンテンツが世界に向けて配信されている。歴史的建造物の老朽化や災害への備えが叫ばれる昨今、文化財保護・神社仏閣関連産業における先進的な成功モデルとして、各方面から熱い視線が注がれている。