まず基本を押さえておきましょう。この言葉の読み方は「いってんのくもりなし」です。漢字表記の通り、わずか「一点」の曇りすら存在しない完璧な状態を示します。
辞書的な定義において、「一点の曇りなし」の意味は大きく分けて2つ存在します。1つ目は、空や鏡、宝石などに濁りや汚れが全くなく、どこまでも澄み切っている物理的な状態です。2つ目は、人の心や考え、行動にやましさ、不正、疑念、迷いなどが一切ない精神的な清廉さを指します。
語源・由来を遡ると、古くから神仏の鏡や磨き上げられた刀剣の刃文、あるいは秋の澄み渡る夜空を形容する漢詩や和歌の伝統的表現に行き着きます。古来、鏡や刀は「持ち主の心を映す鑑」とされてきました。表面にわずかな曇りも許さない研ぎ澄まされた職人技と、武士や求道者の澄み切った精神性が重なり合い、現代に続く慣用表現として定着した経緯があります。