彼を語る上で欠かせないキーワードが「シアトリカル・ポップ」だ。ブロードウェイ・ミュージカルを彷彿とさせる壮大なストリングス配置、目まぐるしく変化する拍子、そして登場人物たちのセリフのような掛け合い。それらを数分間のポップソングへと凝縮する手腕は、類を見ない。
コード進行の定型化や即効性ばかりが求められる近年のJ-POPシーンにおいて、彼の緻密な構築美は異彩を放ち続ける。美しいメロディの裏側に潜ませた毒と諧謔、そして圧倒的な音楽理論に裏打ちされた構築力。聴く者を試すようなスリリングな仕掛けこそが、コアなリスナーを惹きつけてやまない理由だ。