バンドの誕生は、偶然と必然が複雑に絡み合って起きた化学反応だった。発端は長野県伊那市。常田大希と井口理は同じ小中学校の出身であり、幼馴染という関係性を持っていた。しかし当時は音楽的な接点はほとんどなく、上京後の藝大時代に再会したことで物語が動き出す。
2015年、常田はソロプロジェクト「Srv.Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)」を始動。自身の理想とする音響空間を具現化するため、都内のセッションバーやライブハウスで卓越した技術を持つプレイヤーを探し求めていた。そこで出会ったのが、圧倒的なリズムセンスを誇る勢喜遊だった。
勢喜の紹介によってジャズ界隈で頭角を現していた新井和輝が合流し、最後にコーラス・ボーカルとして井口が招き入れられる。こうして4人のラインナップが完成した。米国テキサス州で開催されるSXSWへの出演や全国ツアーを経て、バンドは2017年に「King Gnu」へと改名。「群れを統べるヌーのように、老若男女を巻き込んで巨大な群れになる」という決意を込めた船出だった。