イモリの飼育において、ベテランキーパーが口を揃えて強調するのが徹底した脱走防止対策です。イモリの皮膚には適度な湿り気があり、ガラス面や水槽の角、コード類を難なくよじ登る驚異的な登攀(とうはん)能力を持っています。わずか数ミリの隙間であっても体を平たくしてすり抜けてしまうため、上部が開いたオープントップ水槽での飼育は絶対に避けなければなりません。
水槽を選ぶ際は、専用のガラス蓋やスライド蓋に加え、コード穴や給餌口の隙間を鉢底ネットや脱走防止テープで完全に塞ぐ構造を整えます。通気性を確保しつつ密閉できるメッシュ蓋付きの爬虫類・両生類専用ケージを選ぶのも有効な手段です。
また、日常の管理で安全を左右するのが水位と水深の設定です。成体のアカハライモリであれば水深10cm〜15cm程度を好みますが、水面から水槽上端までの「返し(フリーボード)」を最低でも10cm以上確保し、生体が縁に手をかけられない高さを保つ設計が事故を防ぐ鉄則となります。