最初から華やかな全国ネットの舞台にいたわけではない。岡山放送局や札幌放送局でのローカル報道時代、彼女は徹底して現場に足を運んだ。長靴を履いて災害の被災地へ向かい、地域医療や過疎化に悩む住民の声を丁寧にノートに書き留める。現場の匂いを知るアナウンサーとしての強靭な土台は、この地方勤務時代に築かれた。
東京へ異動後、「NHKニュース7」のキャスターとして速報への即応力を磨き、さらに「日曜討論」の司会という極めてタフな役割を担った。百戦錬磨の政治家や専門家が丁々発止の議論を繰り広げる場において、議論が脱線すれば的確に軌道修正し、本質を突く問いを投げかける。この経験が、彼女の知性と度胸を一段と研ぎ澄ませた。