野生絶滅から奇跡の復活!キハンシヒキガエルが辿った数奇な運命

野生絶滅から奇跡の復活!キハンシヒキガエルが辿った数奇な運命

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キハンシヒキガエル(学名:Nectophrynoides asperginis)は、一般的なヒキガエルのイメージを覆す驚きに満ちた両生類です。成熟した成体でも体長はオスが約1.5〜2センチ、メスでも2〜3センチ程度しかなく、親指の先に乗るほどの愛らしい極小サイズをしています。体色は鮮やかな黄色から飴色で、滝の飛沫が絶え間なく降り注ぐ岩肌や湿った湿原の草陰に身を隠して暮らしていました。

本種が世界中の生物学者を驚愕させた最大の要因は、両生類としては極めて珍しい「完全な胎生(たいせい)」を行う点にあります。一般的なカエルのように水場へ卵を産み落としてオタマジャクシを育てるのではなく、メスの体内(輸卵管)で受精卵を孵化させ、栄養を与えて育て上げます。妊娠期間を経て母カエルの体内から産み落とされるのは、すでに手足が生えそろったわずか数ミリの完全な「子ガエル」です。

この特異な繁殖様式は、彼らの唯一の故郷であったタンザニア・キハンシ峡谷の特殊な環境に適応した結果でした。流れの激しい滝壺や急流では流されてしまう卵やオタマジャクシのステージをスキップすることで、岩肌を湿らせる水しぶき(スプレー)ゾーンという極限のニッチ空間で命をつなぐ進化を遂げたのです。

小林 直樹
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小林 直樹

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