「名前はすぐに出てこないけれど、とにかく芝居が上手い」と感じる個性派女優の多くは、小劇場ブームを牽引してきた有名劇団の出身者です。過酷な舞台空間で鍛え上げられた発声、身体性、アドリブ対応力があるからこそ、短い登場シーンでも視聴者の心を掴んで離しません。
松尾スズキ氏率いる「大人計画」は、個性派バイプレイヤー女優の宝庫として知られています。前述の平岩紙や宍戸美和公に加え、猫背椿(ねこぜ つばき)や伊勢志摩(いせ しま)など、一度見たら忘れられない癖のある演技と鋭い人間観察に基づいたキャラクター造形で、宮藤官九郎脚本作品をはじめ多くのドラマで重宝されています。
ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏主宰の「ナイロン100℃」も実力派の宝庫です。峯村リエ(みねむら りえ)は大河ドラマ『真田丸』の大蔵卿局役で見せた圧倒的な威圧感と哀愁が記憶に新しく、犬山イヌコ(いぬやま いぬこ)は声優として『ポケットモンスター』のニャース役を務める傍ら、舞台仕込みの独特なトーンで唯一無二のポジションを確立しています。
舞台出身の女優たちは台本の行間を埋める力に長けており、監督や演出家からの信頼も絶大です。彼女たちのプロフィールや劇団歴を知ることで、ドラマのキャスティングの妙がより深く理解できるようになります。