岩崎弥太郎と三菱の原点|最下層から巨万の富を築いた怪物経営者の実像に関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。

長崎時代における弥太郎の最も重要な出会いが、同郷の風雲児・坂本龍馬です。龍馬が率いた日本初の商社的組織「海援隊」の経理や物資調達を担当したのが、当時長崎土佐商会を仕切っていた弥太郎でした。

後世の創作物では対立関係として描かれることも多い二人ですが、実態は極めて合理的なビジネスパートナーでした。弥太郎は龍馬の奔放な資金需要に頭を抱えつつも、その卓越した構想力と行動力を高く評価し、武器や軍艦の買い付けを全面的に支援しました。

慶応3年(1867年)に龍馬が暗殺された後、海援隊の残余資産や船運ネットワークの整理を引き受けたのも弥太郎です。龍馬が描いた「船を使って世界と交易する」という壮大な夢は、弥太郎という冷徹な実務家の手によって、現実の巨大ビジネスへと昇華されていくことになります。