終末期において選択肢に上がる主な延命措置には、呼吸管理、人工栄養、心肺蘇生などの種類があります。それぞれの医療処置が患者の身体に与える影響と特徴を整理しました。
1. 人工呼吸器(気管挿管・人工呼吸管理)
自力呼吸が困難になった際、口や喉から気管へチューブを通し、機械で強制的に肺へ酸素を送り込みます。自発呼吸が停止しても心拍を維持できますが、装着中は声を出すことができず、長期化する場合は気管切開を伴うケースが一般的です。
2. 胃ろう(PEG)および経鼻胃管
自力で口から食事が摂れなくなった際、腹部に小さな穴を開けて胃へ直接チューブを通し、高カロリーの流動食を注入する処置です。誤嚥性肺炎を防ぐメリットがある一方、一度造設すると外すことが困難になり、認知機能が低下したまま数年間にわたり生命が維持される事例も少なくありません。
3. 中心静脈栄養(TPN / IVH)
末梢の血管(腕など)からの点滴では十分な栄養を補給できない場合、鎖骨下や首の太い静脈(中心静脈)へカテーテルを留置し、濃度の高い栄養液を持続的に投与する方法です。血管痛を起こさずに長期間の栄養補給が可能ですが、カテーテル感染のリスクが伴います。
4. 心肺蘇生処置(CPR)
心停止や呼吸停止の際に行う胸骨圧迫(心臓マッサージ)、電気ショック(除細動)、昇圧剤の投与などです。終末期の高齢者に行う場合、肋骨の骨折など激しい肉体的損傷を伴うことが多く、事前に「DNAR(心肺蘇生拒否)」の意思表示を行う家庭が増加しています。