演劇の聖地・紀伊國屋ホールの舞台裏へ!名作を生み続ける空間の秘密に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

1960年代後半から1970年代にかけて巻き起こった小劇場運動において、この劇場が果たした役割は極めて大きい。アングラ演劇の波が日本中を席巻する中、紀伊國屋ホールは実験的かつ前衛的な作品を積極的に受け入れ、日本の舞台芸術に革新をもたらした。

中でも特筆すべきは、演出家・つかこうへいとの鮮烈な出会いである。彼の代表作である『熱海殺人事件』は、1973年に初演され、劇場の歴史に燦然と輝く名作となった。マシンガンのごとく繰り出される台詞、俳優たちの圧倒的な身体性、そして観客を狂喜させたエネルギッシュな演出。つか作品はそれまでの劇場の概念を覆し、チケットを求める若者たちが新宿の街へ溢れかえるほどの熱狂を生み出した。