岩槻城址公園は単なるレジャー公園ではなく、関東の覇権を巡る中世の歴史を色濃く残す貴重な城跡です。築城時期は室町時代中期、名将・太田道灌(またはその父・道真)によって築かれたと伝えられています。元荒川の低湿地に囲まれた天然の要害であり、園内を歩くと今なお深さ数メートルに及ぶ大規模な「空堀」や「土塁」の起伏を明瞭に確認できます。
また、全国有数の「雛人形の街」として名高いさいたま市岩槻区ならではの伝統文化として、毎年11月3日(文化の日)には園内の人形塚周辺で「人形供養祭」が執り行われます。役目を終えた全国の愛蔵人形数万体が一堂に集められ、僧侶の読経のもとで感謝を込めて供養される光景は、岩槻の歴史とクラフトマンシップの深さを象徴する荘厳な催しです。
さらに、春の桜が散った後の隠れた見どころとして注目したいのが、初夏から夏(6月〜8月頃)にかけて見頃を迎える菖蒲池の睡蓮(スイレン)です。水面をびっしりと覆う緑の葉の合間から、可憐な白やピンクの花が咲き誇り、観光客が比較的少ない時期ならではの静寂と風情を存分に堪能できます。