では、最も効果的な摂取タイミングはいつなのか。答えは「喉が乾く前」および「汗をかき始める直前」だ。すでに大量の汗をかいて目まいや脱水を感じてから慌てて口に入れても、消化・吸収までにタイムラグが生じる。運動や屋外作業を始める15〜20分前にあらかじめ1粒摂取しておくのが、予防医学の観点からも理想的とされる。
ここで見落とされがちなのが、熱中症対策に潜む大きな落とし穴だ。最大のアクシデントは「水なしでタブレットだけを食べること」にある。塩分(塩化ナトリウム)が胃の中に一気に届くと、胃粘膜の塩分濃度が一時的に急上昇する。すると体は濃度を薄めようとして、血管から胃の中へ水分を引き出してしまうのだ。その結果、かえって脱水状態を助長したり、胃痛を引き起こしたりすることがある。また、「塩分を摂っていれば大丈夫」と過信して肝心の水分補給を怠るパターンも後を絶たない。