インターネット上の簡易レシピにおいて、「加圧が終わったら流水で急冷してすぐにフタを開ける」といった手順が紹介されることがありますが、これはチャーシュー作りにおいては大きなリスクを伴います。
急減圧を行うと、鍋内部の気圧が一気に1気圧へと戻るため、100℃を超えている肉内部の肉汁が一斉に沸騰現象(突沸)を起こし、細胞膜を突き破って外部へ噴き出します。結果として、旨味と水分が抜けたカスカスの状態に陥ってしまいます。加圧調理後は必ず自然放置し、ピンが自重で下がるまで20分前後じっくり待つのが、みずみずしい仕上がりを保つ秘訣です。
さらに、「濃いタレで長時間煮詰めるほど味が染みる」というのも誤りです。味の分子は加熱中ではなく「温度が下がっていく冷却プロセス」において最も肉の内部へと染み込んでいきます。加圧後は火を止め、煮汁に漬けた状態で室温まで冷ます方が、肉を固くすることなく芯まで均一に味が浸透します。