1997年5月に発生した神戸連続児童殺傷事件において、逮捕された加害者が当時14歳の中学生であったことは、社会に計り知れない衝撃を与えました。犯行の残虐性とともに世間の耳目を集めたのが、少年法第61条(推知報道の禁止)の壁でした。
新聞やテレビなどの大手マスメディアが匿名・シルエットでの報道を徹底する中、一石を投じたのが写真週刊誌『FOCUS』や『週刊新潮』でした。事件発生から間もない1997年7月、『週刊新潮』が少年Aの顔写真を誌面に掲載し、大きな波紋を呼びました。出版側は「事件の重大性と社会的反響の大きさから、国民の知る権利に応える公益性がある」と主張。これに対し、日本弁護士連合会や法務省は人権侵害および法令違反として厳重に抗議し、書店や図書館での閲覧制限・販売自粛運動にまで発展しました。
この報道は、日本のメディア界における「少年犯罪報道の限界線」を根本から揺るがす歴史的な契機となりました。