1980年代、社会現象となったクラッシュ・ギャルズ。長与千種とライオネス飛鳥が放つ爽快なファイトと、極悪同盟を率いるダンプ松本の容赦ない凶器攻撃のコントラストは、観客の感情を限界まで逆撫でした。竹刀が折れ、チェーンが唸り、流血する長与に少女ファンが絶叫する。あの狂乱のリングサイドで、一体何が起きていたのか。
「憎まれることが自分の存在証明だった」と後に語ったダンプ松本。一方で、長与千種とライオネス飛鳥の間にも、リング上では決して見せない激しいライバル心と孤立無援の葛藤が存在していた。当時の巡業バス内では言葉すら交わさない冷え切った瞬間もあったという。互いの肉体を破壊し合うことでしか成立しなかった奇妙な絆。その痛みこそが、ファンを熱狂の虜にした真実のドラマだった。