血糖値と血圧の数値が並行して悪化する背景には、体内で起きている複雑なドミノ倒しのような現象があります。その中心的な役割を担っているのが「インスリン抵抗性」です。
糖分の多い食事や運動不足が続くと、すい臓から分泌されるインスリンの効き目が悪くなります。すると体は血糖値を下げようとして、通常よりも大量のインスリンを血中に送り出します。この過剰なインスリンが、実は血圧を上昇させる直接の引き金になるのです。
インスリンには腎臓での「ナトリウム(塩分)の再吸収を促進する働き」があります。塩分が体内に溜まると血液の浸透圧を保つために血液量が増加し、血管の壁にかかる圧力、つまり血圧が上がります。さらに、高濃度のインスリンは交感神経を刺激して血管をギュッと収縮させるため、二重のルートで高血圧を引き起こします。
また、自律神経の乱れも両者を同時に跳ね上げる大きな要因です。慢性的な精神的ストレスや睡眠不足が続くと、交感神経が優位になり続け、血管が収縮して血圧が上がると同時に、血糖値を上昇させるホルモン(コルチゾールやアドレナリン)が分泌されます。このように、ホルモンと神経の連動によって、血糖値と血圧はまさに「一心同体」で上昇していきます。