従来のヒールで靴擦れや痛みが発生する最大の要因は、体重がつま先側へ一方的に偏る「前滑り」と、歩行時の上下動で生じる「摩擦」にあります。これに対し、走れるパンプスが痛くない理由は、足裏全体へ体重を均等に分散させる独自の木型(ラスト)設計と重心バランスの最適化にあります。
とりわけ進化が著しいのがインソール内部の多層構造です。着地時の衝撃を吸収する低反発フォームと、蹴り出しの一歩をアシストするクッション性に優れた高反発中敷きを組み合わせることで、歩行時のブレを抑制。足裏のアーチ(土踏まず・横アーチ)を隙間なく下から支え、足先が靴の先端へ滑り落ちる現象を物理的に食い止めます。
さらに、かかと部分のカーブを日本人の骨格に合わせて立体成型し、履き口にソフトなクッション材を内蔵する技術が一般化しました。足と靴が一体化して追従するため、かかとが浮いて皮膚と擦れる隙間を生じさせない構造が確立されています。