彼のアジアにおける評価を決定づけた金字塔と言えば、香港アクション映画の傑作『イップ・マン 序章』での日本軍将校・三浦将軍役だ。主演のドニー・イェンと対峙するクライマックスの決闘シーンは、映画史に残る名場面として語り継がれている。
ドニー・イェンの公称身長は約173cmとされている。劇中で176cmの池内博之が空手道着を纏って対峙した際、絶妙な身長差と圧倒的な体格差が敵役としての威圧感を倍増させていた。単なる数値上の数センチの差ではない。深く腰を落とした基本組手の姿勢から繰り出される重厚な突きや蹴りが、画面全体に強烈な緊張感をもたらしたのだ。極限まで削ぎ落とされた肉体と鋭い眼光は、ドニー・イェンの目にも見張るような武術アクションを受け止め、アジア全域の映画ファンに強烈なインパクトを残した。