熊澤英一郎氏の経歴を紐解くと、幼少期からエリート官僚の息子として高い期待を背負っていた背景が浮かび上がります。有名進学校の中学校へ進学したものの、学生時代には激しいいじめを経験。この時期から周囲への攻撃性や対人関係のトラブルが表面化し始めました。
大学進学や就職活動では挫折を経験し、アニメ関連の専門学校に通うなど進路を模索しましたが、定職に就くことは困難でした。成人後、発達障害(アスペルガー症候群)の診断を受けたことも公判で明かされています。長年にわたり一人暮らしをしていた時期もありましたが、ゴミの散乱や近隣トラブル、両親に対する金銭の無心などが絶えませんでした。
家庭内における暴力は凄まじく、母親に対して頭を壁に打ち付けるなどの激しい暴行を加え、母親は肋骨を骨折する重傷を負うなど精神的にも追い詰められていました。さらに、家庭の崩壊は妹の前途にも暗い影を落とし、縁談が破談になったことを苦に妹が自死を選ぶという痛ましい事態にも発展していました。同居を再開した事件前日にも父親に対する激しい暴行が行われており、両親は恐怖と絶望の極限状態に置かれていました。