自衛隊による直接駆除が法的に困難である以上、持続可能な対抗策の確立が急務となっている。その中心的な役割を担うのが環境省だ。環境省はクマの指定管理鳥獣への指定を進め、捕獲支援や生息調査に対する交付金措置を大幅に拡充してきた。
これに伴い、従来のボランティア的な猟友会依存からの脱却を目指す新たなビジネス領域として「鳥獣被害対策・野生動物管理産業」が急速に成長している。AIを搭載した自動検知カメラ、スマートトラップ(遠隔操作型罠)、ドローンによる個体群管理、さらにはプロフェッショナルな害獣捕獲事業者の育成など、テクノロジーと民間資本を融合させた新しい安全網が形成されつつある。
軍事組織に頼るのではなく、高度な生態学に基づいた野生動物管理の産業化こそが、人間とクマの生活圏を明確に棲み分ける唯一の解であるという議論が説得力を増している。