現在のアニメしか知らない世代が初期のエピソードを見ると、そのアナーキーなノリに衝撃を受けるはずです。しんのすけが平然と大人を翻弄し、性的なパロディやブラックジョークを連発していた最大の理由は、原作コミックが青年漫画誌『週刊漫画アクション』(双葉社)で連載されていた点にあります。
原作者の故・臼井儀人先生が描いていたのは、あくまで大人の読者をクスリと笑わせるための日常シュールギャグでした。1992年4月13日のアニメ放送開始当時、制作陣も「大人が楽しめる少しおませな幼児のコメディ」としてスタートさせたため、ナンパや下着いじり、みさえの体重や容姿に対する辛辣な毒舌がそのまま映像化されていました。
しかし、番組がスタートするとターゲット層だった大人だけでなく、当時の子どもたちの間で爆発的なブームが巻き起こります。視聴率が20%を超える社会現象となるにつれ、「子ども向けアニメ」としての社会的責任を問われるようになり、アニメオリジナル展開を含めて徐々にファミリー向けへとチューニングされていくことになりました。