フルーチェが誕生したのは1976年。当時、家庭で作る冷菓といえば粉末を水やお湯で溶かすゼリーやプリンが中心でした。そんな中、「果肉入りの液体ベースに牛乳を加えるだけ」という画期的な簡便性と、子どもが自分で作れるエンターテインメント性を兼ね備えて登場したフルーチェは、瞬く間に大ヒットを記録します。
昭和時代のパッケージデザインを振り返ると、レトロな丸文字のロゴに、ガラスの器へ盛り付けられたシズル感あふれるデザート写真が大きく配置されていました。果物のイラストや配色は温かみのあるレトロポップなテイストで、当時の家庭の台所に特別なワクワク感を運んでくれる存在でした。
さらにブームを加速させたのが、記憶に残るテレビCMの数々です。昭和から平成にかけて放映されたCMでは、人気アイドルや愛らしい子役たちが「牛乳を入れて、まぜるだけ!」とリズミカルにアピール。ボールの中でみるみるうちに固まっていく映像は、多くの子どもたちにとって「初めてのお料理体験」への憧れを強く刺激するものでした。親子でボウルを押さえ合いながらスプーンでかき混ぜた光景は、今なお多くの人々の原体験として刻まれています。