杏のルーツを語る上で欠かせないのが、華麗なる芸能一家としての背景です。父親は映画『ラスト サムライ』や『インセプション』などで国際的な評価を受ける渡辺謙。そして実兄は、映画やドラマで重厚なバイプレイヤーとして活躍する俳優の渡辺大です。
芸能界屈指のサラブレッドとして生まれた杏ですが、そのキャリアの出発点は決して親の七光りによるものではありませんでした。15歳でファッション雑誌『Non-no』の専属モデルとして活動を始めた際、彼女は父親の名前を完全に伏せ、本名(渡辺杏)ではなく「杏」という単独の芸名でオーディションに挑んでいます。
その後、パリ・コレクションなどの世界的な舞台へ単身で挑戦し、トップモデルとしての地位を自力で確立。女優転身後も愚直に演技力を磨き続け、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で国民的女優へと登り詰めました。父の威光に頼ることなく自らの足で道を切り拓いた姿勢は、表現者としての誇りそのものです。