単なる発行枚数の少なさだけでは、ここまでの高騰は起きない。価値を暴騰させている最大の要因は、製造初期の過渡期にしか見られないエラーコインの存在だ。二重構造の接合ズレ、刻印の傾き、あるいはフチのギザ刻印の異常など、造幣局の厳しい検品をかいくぐって流通した微細な個体が標的になっている。
新硬貨には、見る角度によって文字が浮かび上がる最先端の「異光彩技術」や、微細な斜めギザが施されている。この複雑な構造ゆえに、初期製造分では金型との微妙な摩擦や金属粉の付着による印字潰れやギザの非対称といった希少な個体が偶発的に生まれた。これこそが、貨幣市場で一目置かれるプレミアム硬貨の正体である。