高級ミニバンの購入において、リセールバリュー(再販価値)は最大の関心事の一つです。30系時代は「アルファード一強」の構図が続き、ヴェルファイアは下取りで煮え湯を飲まされるケースが散見されました。しかし、40系ではこのパワーバランスが劇的に変化しています。
現在の中古車オークション相場において、ヴェルファイアの残価率はアルファードと同等、場合によっては数パーセント上回る水準で推移しています。その主たる要因は「新車生産枠の割り振り比率」にあります。トヨタの生産計画において、アルファードが全体の約7割を占めるのに対し、ヴェルファイアは約3割と意図的に絞り込まれています。この供給制限が希少性を生み、中古車市場での価格を下支えしているのです。
ただし、ここで多くの購入者が陥りがちな「リセールの罠」が存在します。リセール価格を左右する最大の要因は、車種のネームバリュー以上に「仕様選定の厳密さ」です。
過去のデータおよび現行相場が示す絶対条件として、ボディカラーは「プラチナホワイトパールマイカ」または「ブラック」以外を選択した場合、売却時に30万〜50万円以上のマイナス査定となる現実があります。さらに、海外輸出市場(特に東南アジア・中東圏)で必須条件とされる「左右独立ムーンルーフ」「デジタルインナーミラー」「カラーヘッドアップディスプレイ」を装着していない個体は、買取相場が暴落するリスクを孕んでいます。
ターボ車の燃料代も見落とせません。アルファードの2.5Lガソリン(レギュラー仕様)に対し、ヴェルファイアの2.4Lターボは「プレミアム(ハイオク)指定」であり、実燃費も街乗りでリッター7〜8km台まで落ち込みます。数年間のガソリン代と維持費の差額は数十万円規模に膨らむため、「売却時の残価の高さ」だけに目を奪われると、トータルコストで損をする結果になりかねません。