山間に轟く轟音とともに打ち上がる、ギネス記録級の正四尺玉。片貝まつり浅原神社秋季例大祭奉納大煙火で見られるこの巨大花火は、開花直径が実に約800メートルにも達する。地元住民が一身に願いを込め、人生の節目や物故者への想いを託して奉納する花火は、まさに住民の人生が夜空に開花する瞬間だ。
こうした超絶技巧を支えているのが、熟練の職人たちが集う煙火製造業の現場である。公益社団法人日本煙火協会が定める極めて厳格な安全・品質基準のもと、火薬の調合から星の乾燥まで数カ月を要する繊細な手作業が続く。柏崎の怒涛の尺玉300連発や片貝の黄金の巨輪は、職人たちが命を削って磨き上げた技術の結晶にほかならない。