紙の発行部数減少が続くなか、メディア業界の将来性を危惧する声は少なくありません。しかし、「紙という媒体の縮小」と「取材・報道という機能の必要性」は全く別の問題です。むしろ、ネット上に虚実入り混じる情報が氾濫する現在だからこそ、莫大なコストと労力をかけて事実を裏付ける新聞記者の取材価値は再評価されています。
新聞ビジネスは従来の「紙の定期購読料と紙面広告」モデルから、「デジタル有料会員(サブスクリプション)」「法人向けデータ配信」「イベント・コミュニティ事業」へと軸足を移しています。米ニューヨーク・タイムズのように、デジタルシフトを成功させて過去最高益を更新するビジネスモデルの確立が日本国内でも加速しています。
今後生き残る記者は、単に起きた出来事を横流しする「速報係」ではなく、深い洞察力で事象の本質をえぐる「調査報道力」と、複雑な社会問題を分かりやすく可視化する「発信力」を兼ね備えた人材です。権力に屈せず真実を白日の下に晒す記者の使命は、形を変えながらも社会のインフラとして残り続けます。