ソフトボール投げで飛距離が伸び悩む最大の原因は、実は「腕の力だけで投げようすること」にある。肩関節は非常に繊細な構造をしており、大胸筋や上腕二頭筋の筋力だけに頼った強引な投球フォームは、飛距離が出ないばかりか、肩や肘の障害を引き起こすリスクを高めてしまう。プロの指導者が口を揃えて指摘するのは、下半身から生み出したエネルギーを効率よくボールへと伝える「キネティックチェーン(運動連鎖)」の重要性だ。
飛距離を急拡大させる第一の極意は、投げる瞬間の「リリースアングル(投射角)」にある。地面に対して水平や極端な上向きではなく、およそ35度から45度の角度に向けてボールを放ち出すことで、空気抵抗を適度に抑えつつ美しい放物線を描かせることができる。投げ出す瞬間、目線を少し斜め上の空に向けるだけでも、リリースポイントが自然と高くなり、劇的な記録更新へと繋がるのだ。
また、肩を傷めないための絶対条件として、投げ終わった後の「フォロースルー」を怠らないことが挙げられる。ボールを離した瞬間に腕の動きを急停止させると、肩の後ろ側の筋肉に急激なブレーキ負荷がかかる。投げ切った後は、投げた手と反対側の股関節に向けて腕を大きく振り抜く感覚を持つことで、肩への衝撃を安全に逃がすことが可能になる。