多くの乗客が直面したのが、予定外の宿泊や交通手段の変更に伴う金銭的負担です。航空便の遅延や欠航が発生した際、航空会社側の機体トラブル(会社都合)であれば宿泊費や交通費の補償が手厚く行われますが、今回は「空港保安上のトラブル」という特殊な状況でした。
各航空会社は、自社便の振替や無手数料での払い戻しには柔軟に応じたものの、宿泊費や代替交通機関の費用補償については「不可抗力による運航停止」に近い扱いとなり、原則として自己負担を余儀なくされたケースが大半でした。
また、航空各社が被った欠航損害や空港運営会社が負担した追加コストについて、原因を作ったテナント店舗や運営元への損害賠償請求が行われるのかどうかも注目されました。実務上は、過失の度合いや契約上の免責条項、保険の適用範囲などを踏まえた協議が進められましたが、民間テナント1店舗の過失に対して数億円規模の航空被害全額を個人・単独店舗に直接求償することは現実的に難しく、空港全体の管理体制責任として処理される形となりました。