心膜炎の心電図特徴とは?心筋梗塞との鑑別とSt上昇の波形変化を徹底解説

心膜炎の心電図特徴とは?心筋梗塞との鑑別とSt上昇の波形変化を徹底解説

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救急搬送された胸痛患者を前に、当直医や循環器医が最も神経を尖らせるのが急性心膜炎と心筋梗塞の鑑別です。どちらもST上昇を主徴としますが、その電気生理学的背景と波形の現れ方には明確な差異が存在します。

項目急性心膜炎の所見急性心筋梗塞(STEMI)の所見臨床現場での着眼点・見解ST上昇の分布aVRを除くほぼ全誘導で広範に発生閉塞した冠動脈の支配領域に局在解剖学的な血流支配を跨ぐかが最重要波形の形状上に凹(concave型・弓状)が多い上に凸(convex型・ドーム状)が多いST接合部(J点)以降のカーブ形状を観察鏡面像(ミラーイメージ)なし(aVR、時にV1のみST低下)あり(反対側の誘導で明確なST低下)下壁梗塞時の前胸部・側壁誘導の沈降を確認PR部分の変化広範な誘導でPR低下(aVRで上昇)通常は変化なし(心房梗塞合併時を除く)心房の炎症を直接示す高特異度サイン異常Q波・陰性T波異常Q波は出ない。T波はST基線復帰後早期から異常Q波出現。ST上昇中にT波逆転心筋壊死の有無と時間的進化の差が現れる

心筋梗塞では、貫壁性の虚血・壊死に伴い対側誘導に「鏡面像(reciprocal change)」と呼ばれるST低下が極めて高頻度に出現します。例えば下壁梗塞(II、III、aVFで上昇)であれば、高位側壁(I、aVL)に鏡のように反転した深いST低下が現れます。対照的に、急性心膜炎ではaVR誘導を除いて鏡面像が生じません。さらに、心筋梗塞ではSTが持ち上がったまま陰性T波への移行が始まりますが、心膜炎では後述の通り「STが基線に戻りきってからT波が陰転化する」という厳密な順序を辿ります。

山崎 陸
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山崎 陸

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