沈みゆく泥舟だと分かっていながら、なぜ彼らは最後まで踏みとどまったのか。この問いは、現代のビジネスパーソンにとっても他人事ではない。経営破綻寸前の大企業や、斜陽産業において、最後まで現場で踏ん張る社員たちの姿と重なるからだ。
裏切って勝ち馬に乗る(薩長側につく)選択肢はいくらでもあった。実際に多くの藩が日和見を決め込み、勝ちそうな側へと寝返った。その中で、あえて負け戦に挑み、散っていった人々の生き様には、合理性だけでは割り切れない「美学」や「人間的信頼関係」が存在する。タイパやコスパが最優先される現代だからこそ、彼らの不器用な生き方が強烈なノスタルジーと共感を呼ぶのだろう。