この市場構造の地殻変動を引き起こした最大の引き金は、菅義偉元首相が推し進めた一連の携帯電話料金引き下げ政策に他ならない。政治の強烈なプレッシャーによって、移動体通信事業者に対する圧力が強まり、長年高止まりしていた基本料金の一律値下げや解約違約金の廃止が実現した。
総務省の主導による乗り換え手続き(MNP)の簡略化やSIMロック解除の義務化も重なり、消費者が事業者を乗り換えるハードルは激減した。結果として、かつての囲い込み戦略は崩壊し、ユーザーがより良い条件を求めて自由に行き来する「大流動時代」が到来したのだ。