王道主人公にとどまらず、複雑な内面を持つダークヒーローやギャグキャラクター、メディアミックスのアイドルまで演じこなすレンジの広さも小野賢章の真骨頂です。
映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』では、地球連邦軍の高官の息子でありながら反地球連邦政府運動のリーダーを務めるハサウェイ・ノア(マフティー・ナビーユ・エリン)を熱演。村瀬修功監督が求めた「映画としてのリアルな会話劇」に応え、迷いと狂気、青年の脆さを濃密に表現しました。
一方で、『SPY×FAMILY』のユーリ・ブライアでは、国家保安局の少尉としての残忍な尋問シーンと、姉・ヨルに対する狂気的な愛情をコミカルに爆発させるシーンを瞬時にスイッチ。また、『文豪ストレイドッグス』の芥川龍之介では、太宰治への承認欲求に飢え、咳き込みながら血を吐くような執念を絞り出すダークな演技を披露しています。
さらに、大ヒットコンテンツ『アイドリッシュセブン』の七瀬陸ではグループの太陽のようなセンターを演じ、ゲーム『原神』のディルックでは重みのある低音でクールな騎士団の元隊長を好演。キャラクターごとの声のトーンだけでなく、「キャラクターが背負う宿命の重さ」を声色に反映させる技術が際立っています。