ペンネーム藤子不二雄Ⓐとして知られる安孫子素雄氏は、富山県氷見市の寺院に生まれた。幼少期に父親を亡くし、高岡市へ転居したことが彼の人生を大きく変える。そこで出会ったのが、生涯の相棒でありライバルでもある藤子・F・不二雄(本名・藤本弘)氏だった。
二人が歩んだ青春時代と葛藤は、名作『まんが道』の中に克明に刻まれている。自伝的フィクションとして漫画業界の裏側や若き日の熱情を描き切った同作は、単なる成功譚ではない。締め切りに追われ、プレッシャーに押し潰されそうになりながらもペンを握り続けた二人の姿は、時代を超えてクリエイターたちのバイブルであり続けている。